オープニング
おはようございます、駒居です。
本日は「TTPと丸パクリの違い」というテーマでお話をしていきます。
SNS運用においてTTPという考え方は非常に重要だと思っています。中にはTTPを否定されている方もいらっしゃるかなと思いますが、私個人として、そしてSnsClubの教育方針としてもTTPという考え方は重要だと捉えております。
しかし、このTTP(徹底的にパクる)という言葉から、丸パクリでいいのかと誤解されることも少なくありません。特にSnsClubではTTPしましょうと講師陣からお伝えすることが多いので、どこまでがOKでどこからがNGなのかというラインが気になる方も多いと思います。今日はそんなご質問をいただいております。
ご質問
TTPの線引きがわかりません…

いつも愛情のある関わり素晴らしい環境の提供をありがとうございます。
投稿していくにあたって、まずはTTPが大切だということなんですが、どこまで自分の色を出していいのでしょうか?
そのライン引きが曖昧でパクるとモデリングの境目を教えていただきたいです。



素晴らしいご質問をいただきました。SNSを始めたばかりの方やSnsClubに入会された方が、このTTPと丸パクリの境界線について悩んでいると思います。実は私が現役で生徒を持っていたときも「TTPって言うからパクっていいんですよね」と言われ、「いや、そうじゃないんですよ」と説明する機会というのがありました。
TTPという言葉自体が誤解を招きやすいところがあるので、今日はしっかりと整理していきたいと思います。
また、今回のこのラジオのアウトプットでぜひTTP以外のいいネーミングが他にあったら皆さんに教えていただきたいと思います。TTP、私もニュアンスが若干違うなと思いつつ、便利だから使っていた言葉ではあるので、ぜひ皆さんにそれをアウトプットしていただけると嬉しいです。
TTPと丸パクリの根本的な違い
話を戻しますが、TTPは「徹底的にパクる」という言葉の略です。しかし、これは丸パクリとは本質的には全く異なっています。その違いと正しいTTPの取り入れ方について、今日はお話をしていきます。
まず最初に、TTPと丸パクリの根本的な違いについてお話をしたいと思います。TTPと丸パクリ、この最大の違いは「目的」にあります。
丸パクリは、単純に楽をして成果だけを得たいという気持ちから生まれる行為です。
一方、TTPは成功している人のパターンを分解して自分のものにするという学習プロセスのことなのです。
具体的に言うと、丸パクリというのは台本とかビジュアル素材などをそのままコピーして使用することです。スクショのように使うということですね。
例えばある成功している発信者が「今日は私の朝のルーティンを紹介します。朝に起きてレモン水を飲んで…」のような動画で台本を作っていたとして、それを一言一句そのまま使うというのが丸パクリです。
これは嘘ですよね。言ってしまえば自分も全く同じ生活リズムをたまたま行っていたんだったら百歩譲って丸パクリじゃないかもしれないのですが、その台本はその人の生活であり、それを丸々パクるというのはTTPではありません。
一方TTPは、
・朝のルーティン紹介というコンセプト
・時間の流れに沿った紹介の仕方というフォーマット
・最初にフックとなる質問を投げかけるという導入部分の構造
など、成功要因になってそうな型を学び取ることです。
私がTTPに対し、例えているのは「料理のレシピ本」のようなものです。レシピ本を見てこの調理法を使ったら美味しく仕上がるんだなと学んで、自分の材料や好みに合わせてアレンジするというのが本来のTTPなのです。
一方でレシピ本の写真をそのままパクって「私が作りました」というのが丸パクリです。
私自身SNSを始めた当初というのは多くのインフルエンサーのコンテンツを研究していました。例えば「なぜこの導入部分で引き付けられるんだろう?」「どうして最後にこのような締めくくり方をしているのかな」という部分に注目して分析をしていたのです。そして、その構造を学びながら内容を自分のものにしていったというような経験があります。
正しいTTPの方法
具体的にどうすれば正しいTTPができるのかを3つのポイントでお伝えします。
1. フォーマットや構造を参考にする
例えばバズっている投稿を見たときに、最初の2秒でインパクトのある質問から入り、次に悩みを共有して、そして解決策を3つ提示している、という構造があった時に、この構造自体は著作権の対象ではないですし、オリジナリティもそこまで深いものではないので、参考にしても問題はありません。
自分の投稿に取り入れる際はこの構造を使いながらも、質問や内容に関しては完全に自分のものにしてみてください。
例えば「あなたも夜眠れなくて困っていませんか?」という質問から始まる不眠解消法の動画があったとしたら、同じ構造を使って「あなたも朝起きるのが辛くないですか?」というような質問から始まる朝活の動画を作るみたいな具合です。
2. 内容を自分の経験や一次情報に置き換える
丸パクリでよくある失敗例として、他の人の体験をさえも自分が体験したかのように話してしまうということがあるのです。
例えば「私は○○を使って何キロ痩せました」みたいな体験談を実際には体験していないのに自分の話として使うのは、明らかに丸パクリであって視聴者への裏切りにもつながってしまいます。
正しいTTPというのは構造や型を参考にしつつも、内容は必ず自分の実体験や自分で調べた情報、自分なりの解釈に置き換えたものになります。
例えばダイエットの成功法のTTPをする場合、同じ構造を使いながらも「私は○○を試して何キロの減量に成功しました」という形で、必ず実際に自分が試して結果が出たことを話すようにしましょう。
3. 異なるジャンルからアイデアを持ってくる
同じジャンルのクリエイターをTTPしてしまうと、どうしてもパクリって思われるリスクが高まるのです。それが王道のような作り方、他の人もいろんな方がやってるやり方であれば、いちいちそれでパクリだって言ってくる方はいないと思います。
しかし、少しオリジナリティがあるような、その人独自のやり方というのを真似をすると、パクリだと思われてしまうリスクが高まります。
それでも別にいいと思うのですが、やはりいらないトラブルは避けたいと思います。そこで全く異なるジャンルの成功している投稿から構造とかテクニックを学び取るという方法があります。
例えば料理系のアカウントを運用している場合、ファッション系やビジネス系のアカウントを参考にしてみるというのも有効だと思います。
ビジネス系アカウントの「3ステップで解説します」というような手法を「3ステップで簡単に作れるレシピ」みたいな形で応用するといった感じですね。
異なるジャンルから学ぶことにより、自分のジャンルではあまり使われていないような新鮮なアプローチを取り入れることができるので独自性が高まります。
しかし、これはあくまで応用編なので、今からアカウントを始める方であったりとかまだまだコンテンツ制作に慣れてないという方がやってしまうと、かえって全く伸びない投稿であったりとか時間がかかりすぎてしまうというリスクがあります。
そのため、これはある程度自分の王道パターンが慣れてきた方にお勧めしたいやり方です。
①:フォーマットや構造を参考にする
②:内容を自分の経験や一次情報に置き換える
③:異なるジャンルからアイデアを持ってくる
丸パクリのリスクと弊害
丸パクリには短期的にも長期的にもいくつかのリスクがあると思います。まず最も大きな問題は「信頼性の低下」です。レピュテーションリスクと言ったりもするのですが、視聴者さんは思っている以上に目が肥えていて、丸パクリはすぐに見抜かれます。
「このアカウントはあの人の真似をしているだけだな」と思われてしまうと、オリジナリティがなく信頼できないアカウントとして認識されてしまいます。最悪の場合それをコメントに書き込まれたり、オリジナルを作っている方の耳に触れてトラブルになることもあります。
実際、SnsClubの元生徒さんが人気なインフルエンサーの方の投稿をかなり忠実に模倣していて、それを投稿してしまったのです。そしてその投稿を見た別の方から「これ〇〇さんのことパクってますよ」みたいな形でちょっとトラブルになりかけたこともありました。ですから、そういったリスクを軽減するためにも丸パクリはやめておきましょう。
もう一つ重要なのが丸パクリでは自分の成長がないということなのです。
一時的に数字が伸びたとしても、本当の意味でのスキルというのは身につかないですし、いずれ限界がきます。
丸パクリというのはもうそっくりそのまま作るだけなので、いろんなスキルも身につかないですし、頭を使いながらやっているわけではないので、自分自身で考えてみてって言われても再現性がなくなってしまうのです。
そのため、よく頭を使いながら「これはどういうところが伸びている部分なんだろう」「これはどういう構造になっているんだろう」そういった少し抽象度を上げた仕事をすることこそが、皆さんの成長に繋がっていくのだと思います。
TTPから自分の型への進化
最後に、TTPから自分の型へと進化させていくステップについてお話をしていきます。
TTPは永遠に続けられるものではなくて、あくまで学習の過程です。TTPを通して学んだことをもとに、やがて自分の型を作り出すということが皆さんの最終目標になると思います。
この具体的なフェーズを3つにまとめてみたので最後に聞いてください。
1. 観察と模倣のフェーズ
これは成功している投稿のパターンをよく観察して、そのまま真似てみるフェーズです。例えばバズっている投稿を見て「この投稿は最初に質問から入って、次に悩みを共有して、そして最後に3つ解決策を提示している」というパターンを見つけたら、まずはその通りに作ってみてください。内容は自分のものですが、構造は参考したものになります。
2. アレンジと組み合わせのフェーズ
ある程度TTPに慣れてきたら少しずつ自分なりのアレンジを加えていくというフェーズに移ります。
例えばある人の「導入→共感→解決法の提示→まとめ」という構造をベースにしながら、また別の方の「冒頭でインパクトのある事実や素材を伝える」というテクニックを組み合わせてみるのです。
さらに、自分なりの具体例を2つ挙げて比較するみたいなアプローチを取り入れてみるなど、少しずつ独自の要素や他の人の要素というのを加えていきます。
3. 独自化と進化のフェーズ
最後は、完全に自分だけの型を確立してさらに進化させていくというフェーズです。この段階になるともはや誰かのTTPだけということではなくて、自分だけの型と言えるものが出来上がっています。
そしてこの型も固定せずに、常に新しい要素を取り入れながら進化させていくということが重要です。
例えば最新のトレンドを自分の型に取り入れてみたり、視聴者からのフィードバックを元に改良を加えます。こうして自分の型は単なる模倣から完全にオリジナルの創作物へと進化していくのです。
これを最初からやるのではなく、徐々に徐々に成長・進化していきましょう。
①:観察と模倣
②:アレンジと組み合わせ
③:独自化と進化
まとめ
本日は「TTPと丸パクリの違い」についてお話をしていきました。
最後にTTPと丸パクリの違いをまとめました。
目的の違い
丸パクリ:楽をして成果を得ることが目的
TTP:成功パターンを学び取ってそして自分のものにすることが目的
方法の違い
丸パクリ:台本や一次情報までそのままコピーをすること
TTP:フォーマットや構造のみを参考にして自分の情報に置き換えるということ
結果の違い
丸パクリ:短期的な成果を得られたとしても長期的には伸び悩む
TTP:学習速度が上がり、自分の型を作る足掛かりになる
私がSnsClubの生徒さんにいつもお伝えしていることは、まずは最初は誰かの真似をすることにより、成長速度を上げていきましょう。
しかし、最初は誰かの真似から始めたとしても、最終的には自分にしかできない発信ができるようになることが大切ということです。
例えばアートの芸術分野やスポーツだとしても、最初は師匠やコーチ、著名な方の作品を模写したり、著名な人のプレイを真似することから始めますよね。そのようなものと同じで、SNSでも最初は成功している人の型を学ぶところから始め、徐々に自分のスタイルを確立していくことが自然な成長過程だと思います。
TTPというのは決してパクるということを推奨しているわけではなく、効率よく学ぶための手段なのです。正しく理解して実践すればSNS運用のスキルアップに大いに役立ちます。
皆さんも丸パクリの誘惑に負けずに、正しいTTPで着実に成長していってください。そして最終的にはあなたらしさが光る独自のコンテンツを生み出せるようになることを目指していってください。
本日は「TTPと丸パクリの違い」というテーマでお話をさせていただきました。
今日も人生を変える1日にしていきましょう!